国内

ハト虐待男逮捕にSNSユーザーが貢献も捜査の難しさ ”解体シーン”など小動物虐待動画をコンテンツ化する輩たち

ハトを虐待する男(時事通信)

ハトを虐待する男(時事通信)

 センセーショナルな内容の投稿ほど、SNSでは注目を集め、閲覧数を稼ぎやすい。そしてビュー数が増えて注目されるということは、人をエスカレートさせやすい。SNSへの歪んだ依存からなのか、自分より弱い存在、小さな動物を虐待する様子をSNSへ投稿する人たちがいる。ライターの宮添優氏が、ハト虐待男逮捕へ警察ではない一般のSNSユーザーたちが果たした役割、一部のSNSでコンテンツ化している残酷な投稿問題についてレポートする。

 * * *
 2025年2月6日、警視庁は野生のハトを捕獲し殺害したとして、神奈川県川崎市に住むタクシー運転手の男を逮捕した。実はこの逮捕の背景には、虐待を通報した鳥を愛する一般の人たちの独自調査が貢献していたと、事件を取材した全国紙社会部記者が振り返る。

「容疑者の男の犯行やXの投稿内容について、警察も相当早い時期から把握していました。しかし、どこに住んでいるどんな人物なのかをすぐに読み解くことは難しかった。SNS運営側に通報してアカウントが消えても、また別のアカウントを使って投稿を繰り返し、また一から捜査し直すことになりかねないので、対応が難しい。その間に警察へ100件を超える通報があったと言いますが、逮捕に至る大きなきっかけのひとつは、一部の鳥愛好家ユーザーの独自調査です」(全国紙社会部記者)

 本来、事件性のある事案について、警察は民間人が勝手に調査するなど、首を突っ込まれることを極端に嫌う傾向がある。それは、捜査情報の漏洩や攪乱を防ぐためであり、もっともな理由だ。だが今回のケースでは、通報しても動く気配が伝わってこない捜査当局やSNS運営の姿勢に業を煮やした数人のユーザーが独自で捜査、検証を行ったことが、今回はポジティブな結果に繋がったというのだ。

「まず、男が投稿していた場所を特定し、付近のペットショップに電話をかけまくる”ローラー作戦”を実施。男が鳥を購入していた店舗を見つけ出し、様々な情報を入手して、遂には自宅まで特定。彼らが調べたことがすべてではありませんが、その結果がまとめられていたことも、当局の本格的な捜査に大きな影響を与えたと思います」(全国紙社会部記者)

 こうしたユーザーたちの独自調査・検証では、男が「タクシー運転手」である可能性、また、外国人である可能性も指摘されていた。だが、逮捕された男はタクシー運転手ではあるものの、公表された名前は日本人として、よくあるような名前だった。容疑者の素性については思い込みや偏見による間違った情報も一部で流布はしていたが、ハト虐待男の逮捕へ至る顛末について、インコや文鳥などの小鳥を数羽飼っている、鳥愛好家でもある関東在住の会社員の女性(30代)が、自分も調査と通報をした体験を語る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン