日本ハム時代は選手と「友達」のような関係に(ライブリー提供)
バイトを辞めた水原は日本酒販売会社でも働いたが、同僚には「野球が好きだ」と語っていた。退社後は、2012年にヤンキースに入団予定だった岡島秀樹の通訳として雇われることになったが、岡島の入団が取り消され、同時に解雇。間もなく日本ハムの専属通訳としての職を得て、生まれ故郷に「凱旋」した。
そして、同年のドラフト1位で入団した大谷と出会う——後編記事では、水原が大谷の通訳に選ばれた理由、そして当時、チームメイトに伝わっていた別のスター選手との“幻の渡米計画”について詳報する。
(後編につづく)
【プロフィール】
水谷竹秀(みずたに・たけひで)/ノンフィクションライター。1975年生まれ。上智大学外国語学部卒。2011年、「日本を捨てた男たち」で第9回開高健ノンフィクション賞を受賞。近著は『ルポ 国際ロマンス詐欺』(小学館新書)。10年超のフィリピン滞在歴をもとに「アジアと日本人」について、また事件を含めた現代の世相に関しても幅広く取材。ウクライナ戦争勃発直後から現地で取材していた。
※週刊ポスト2025年3月14日号