事件があった202号室の見取り図(関係者の証言などによる)
「殺害後、なぜ会話がなかったのか?」
瑠奈被告と被害者男性の“初夜”が不本意な形となり、再会を懸念していた両親。浩子被告としては、引きこもりだった瑠奈被告の外出を喜ぶ一方で、暴力団を騙った脅迫文言を作成するなど、会わせたくない思いが強かった。しかし、修被告としては再度嫌な思いはしてほしくないと思いつつ、そこは「男女の問題なので」と、浩子被告とは少し温度差はあったように感じられる。
そして、事件は起きてしまう。7月2日午前3時、自宅にて修被告は瑠奈被告から「首を拾った」と聞かされる。しかし、それがどういうことか瑠奈被告には訊ねない。非現実的な発言に思考が追い付かなかったのかもしれない。
しかし、それ以降、自身の目で遺体を確認し、遺体が損壊される様子を目の当たりにしても、7月23日の逮捕日まで瑠奈被告を咎めたり、動機を訊ねることなどもいっさい行わなかった。
弁護人「なんでそういう会話がないんですか?」
修被告「普段から非現実的な答えが多く、通常会話が成立しにくい。いちいち確認する習慣がなくなっていました。諦めてしまっていました」
弁護人「どうしてこれ買うの? というのと、どうして殺した? というのはさすがに次元が違う話と思うのですが」
修被告「恐らく現実的な答えは返ってこないだろうと。本人は拾ったとしか言わず、さらに聞いて精神悪化しないようにと考えていたのかもしれません」
修被告のこういった主張からも、検察官が「家族は瑠奈被告に支配されていた」と主張するのも頷けるところである。しかし、修被告はそのような関係性を明確に否定する。翌朝に仕事を控えていながらも、深夜に娘が知らない男性とホテルから出るのを待つ行為に関しても「(娘の自立のため)そうしてあげたかった」と答えた。