「目出し帽やお面可能ですか」などテレグラムで何度も犯行手順を確認
証拠採用されているテレグラムメッセージによれば、確かに野村被告は事件前、グループトークに幾度もメッセージを送信していた。
〈訪問時に顔を見られなくしたい 目出し帽かぶるの可能ですか〉
〈証拠を残したくない 足がつかないようにしたい〉
〈荷物の置き場はロッカーですか 車内だと何かあったとき良くない〉
〈現場は都内のどの辺ですか 最悪なとき、逃げる場合土地勘ないと不安です〉
〈詳細が知りたいです どんな感じの内容になりますか〉
〈うーん 目出し帽やお面可能ですか インターフォンのモニターで確認されたり撮影など大丈夫ですか〉
〈ドア開けたらこじ開け突入ですね 相手に印鑑や話ナシで入りますね〉
“絶対に捕まりたくない”との意図がにじむ野村被告からの質問に対して、指示役「キム」が詳細を返答するというやりとりが繰り返されている。「キム」が永田被告への個別メッセージで〈やっぱうぜーわこいつ〉とこぼす記録も残っていた。
質問を繰り返した末に迎えた事件当日、Aさんを抱きかかえて住宅内に突入した野村被告は、中西被告と共にAさんの両手を結束バンドで縛ったのち、Aさんを気絶させたと中西被告は言う。
「Aさんは縛ったあと、抵抗したりする様子はなく、自力で動くことはありませんでした。野村は自分のそばでAさんの姿を見て、その後自分を一回どかして『金はどこだ』とAさんの胸ぐらを掴んで上体を起こし、揺さぶって、頭が床に当たってAさんが気絶しました。それを見た野村は『気絶しちゃった』と半笑い、ふざけ半分で言っていました。『自分がAさんを見ておくから野村は2階に行って(物色して)』と言うと、野村は立ち上がり、Aさんの左脇腹から腰あたりを軽く蹴っていました。自分が事前に聞いてる計画では、家の人に金のありかを聞いて、金を取るという話だったので(気絶させるのは)不必要な暴力だと思いました」(中西被告の証言)