田村瑠奈被告と父・修被告
2023年7月、札幌市・ススキノのホテルで頭部を切断された男性の遺体が発見された事件。逮捕された親子3人のうち、殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われている父・田村修被告(61)の裁判員裁判が1月14日から札幌地裁で行われ、2月18日に結審した。検察は懲役10年を求刑しており、判決は3月12日に言い渡される予定になっている。
2月5日、6日の公判では、修被告本人への質問が検察官、裁判官から行われた。娘・瑠奈被告(31)の犯行において“凶器”となった用品は修被告とともに購入されたものが多いが、修被告は瑠奈被告の犯行計画を「気づかなかった」と主張し続けた──裁判を傍聴したライターの普通氏がレポートする。【前後編の前編】
“初夜”が終わって「斧」と「レインコート」を購入
被害者と初めて会った日のこと。修被告は、長く引きこもりだった娘がクラブで踊っているのを見て、嬉しい思いだったと当時を振り返る。その後に瑠奈被告から被害者を紹介され、カラオケに行きたいと言われたときも、不安は残ったが、娘にとっていいきっかけになってほしいという思いで了承をしたという。
その後、帰ってきた瑠奈被告から、一連の性行為に関する話を聞く。しかし、修被告から見て、瑠奈被告は全くの平常心ではないものの、怒っている様子にも見えなかったという。
検察官は瑠奈被告が撮影した、被害者殺害時の動画を引用し、殺害直前のやりとりを紹介した。
瑠奈被告「人生で一番反省したこと、私の約束破ったことでしょ」
被害者「あんなに怒られたことない。ゴムつけなかっただけで」
それでも、修被告は「(避妊具を外したことが動機とは)思わない」と答えた。