イタリアンの写真が…
中高年の間で密かに流行中の「既婚者向けマッチングアプリ」。既婚者の男女が趣味や悩みの話し相手を見つけるアプリだ。そこに登録した会社員男性Cさん(58)の話。
「プロフィール写真は顔を載せたほうがマッチしやすいという噂を聞きました。ですが、現在の写真だと知り合いにバレると思い、だいぶ印象が違う20年以上前の免許証の写真を載せたんです」
すると、数日後、社内でこんなことがあった。
「出社すると『部長、既婚者アプリでお見かけしました。私も実は夫に内緒で始めました。私のことを見つけてもスルーしてください(笑)』という紙が置かれていました」
「顔から火が出そうだった」というCさんだが、部下の女性に自分だとわかった理由を聞いた。
「顔写真だけでは確証を持てなかったそうです。ただ、プロフィール内の自由にアップできる欄に外食した際の写真を貼りつけていた。彼女はそこに会社近くの人気イタリアンのパスタの写真が掲載されていたのを見て確信したそうです」
指定されたお店に入ると…
最近のマッチングアプリの多くには、「現在地から数キロ以内にいる同じアプリを入れた人とマッチできる」という検索機能がある。エリアごとで相手を探せる便利な機能だ。各人の判断でオン・オフが切り替えられる。
離婚後、アプリを始めた女性のDさん(52)。この機能を活用し、自宅から3駅離れた所に住む男性とマッチングし、互いの駅の中間地点で飲む約束を取り付けた。
「男性に指定された店に入り、『黒いパーカー』という目印に合致する人に声をかけた。振り返ったら、息子同士が小学校の同級生で一時期PTAの役員を一緒にやっていたパパさんだったんです」
お互いに顔を見るなり、「えー!」と驚いた後、照れ笑いして誤魔化すしかなかったという。
「気を取り直してフツーに飲みました。段々赤裸々になり、奥さんの愚痴や仕事の愚痴とかを聞くハメに。しかも、知り合いということもあってかお勘定は割り勘。さすがにそこは奢ってよ!と思いました(苦笑)」