冒頭の記者は、今回の事件捜査の背景についてこう指摘する。

「大阪府警の捜査員は、死因贈与を動機の一つとして、濱田容疑者を殺人容疑で立件できないかと捜査を進めていたとみられますが、実際の逮捕容疑は自殺教唆となった。

 殺人で逮捕すれば、当初自殺と判断した和歌山県警の失態になる。自殺教唆なら、初動で自殺と判断した和歌山県警のメンツもなんとか保たれる線ということではないか。Aさんの死の不審点である死因贈与が第一報でメディアに大きく報じられなかったのも、情報を出す警察サイドの意向があったと考えられます。いずれにせよ、府警の現場の捜査員らは悔しい思いをしたはずです」

 和歌山県警に、発生当時の判断や死因贈与契約について質問すると、「必要な捜査を行なった結果から、事件の可能性は低いと判断している。被害男性の所有する土地と建物について、他者への死因贈与は把握していない」との回答があった。

 警察の動きが適切だったのかを含め、事件の全容解明はまだ遠そうだ。

 関連記事『逮捕の“女占い師”に高校生の息子を預けてしまった母親が証言…「共同生活」「仕事内容も不明」 会社を利用し信者集めか 【和歌山・自殺教唆事件】』では、濱田容疑者がどのように信者集めをしていたかを追った。

※週刊ポスト2025年3月28日号・4月4日号

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