水原一平を取り巻いた「MLBとギャンブル」関係図
「素晴らしい人間だった」
ロサンゼルスから車で1時間半、とある住宅地のゲートの前にグレーのワゴン車が到着した。
私が近付くと運転席の窓が開いた。顔を出したのは、黒いTシャツを着たエンゼルスのフィル・ネビン前監督(54)だ。彼には2023年5月、エンゼルスの球場で、大谷の人柄についてインタビューをした経緯がある。
当時の話から始め、水原の取材で来た旨を伝えると、ネビンは急に険しい表情になった。
「一平のことについて聞きに来たのなら話したくない。私にはもう関係のないことだ」
立ち去ろうとするネビンに、私は取材の経緯を説明した。すると、ネビンはこう続けた。
「一平は素晴らしい人間だったよ。彼とはしばらく話をしていないから、何も知らない。一平も翔平も大いにリスペクトしていたし、楽しい時間を過ごした。一緒に働いていた仲間がああいうことになったのは悲しい」
そう言い残し、ネビンは運転席の窓を閉めた。