RIZAP株式会社執行役員でchocoZAP事業責任者の村橋和樹氏
掃除1回「250円」の意味
──「chocoZAP」は税別で月額2980円ですよね。そこから1000円オフにしたり
ギフト券をプレゼントするとなると、ほとんど利益が出ないのでは? それだけマシンの故障対応や清掃は重要ということでしょうか?
月会費2980円から1000円オフと聞くと驚かれるでしょうが、すごく正直な数字の話で言うと、「掃除1回250円」なんですよね。フレンドリー会員様にはchocoZAPに来たついでに、ちょこっとお掃除等をお手伝いいただく形なので、もちろん1回あたりの作業量は業者が行うものとは全く異なりますが、もし清掃業者の方を呼んで全ての清掃を行ったら、かかるコストの桁が変わってくるわけです。お客様へリーズナブルな価格でサービスを提供するためにも、こういった部分で工夫をしていかないといけません。
また、フレンドリー会員およびセルフメンテナンス会員の方々の多くは、清掃などを通して、店舗に愛着を持ってくださいます。特に年配の方のなかには、「人の役に立っている」というやりがいを強く感じる方もいるようです。さらに、「月4回以上清掃をして、1000円オフを目指そう」といった動機が生まれることで、chocoZAPに行って運動をする習慣が身に付いたというフレンドリー会員様も実際に多くいらっしゃいます。
──運営側と会員側、双方にメリットがあるんですね。ただ、特典目当ての会員を見分ける仕組みはあるんでしょうか? たとえ本人に悪意はなくとも、運営側が求めるレベルに達していないケースも考えられます。
たとえば、清掃報告をしてくださった会員さまのデータ上の店舗滞在時間が2~3分だと、やはり「あれっ?」とはなりますよね。どのような角度からチェックすべきか、試行錯誤を進めているところです。現在は清掃完了の報告をしていただく際、清掃後の写真を必ず添付していただいておりますが、それ以外にも清掃の質を担保するような仕組みを検討しています。
──では、ネット上で広がる“イメージ”と現在の「chocoZAP」は違う?
もちろん改善すべき点はまだありますが、昨年11月頃から体制が整ってきた手応えがあります。QRコードを用いた連絡システムの導入により、トレーニングマシンの故障率・不具合率はどんどん下がっており、一時は6%近かったのが、昨年12月末の時点では3.4%まで減少。2月時点では1%台まで減少しています。
店舗品質・顧客満足度向上は会社としても一番大事なポイントなので、昨年末に「『chocoZAP』を本来あるべききれいな状態にしよう」と社員全員で各店舗のマシンの修理から大掃除まで全部やったんですよ。私もいくつかの店舗を担当しましたが、瀬戸社長(RIZAPグループ代表取締役社長・瀬戸健氏)らと一緒に大久保店にも行きました。