愛好家が“箱絵買い”した2大絵師
キットを組み立て、理想のプラモデルを完成させるだけが魅力のすべてではない。緻密に描かれた力強い「箱絵」も、ファンの心を鷲掴みにする。
プラモデル人気に火がついた1960年代以降、箱絵は第一線の画家を起用する流れが定着。革新的なデジタル技術が生まれた現代でも、手書きの箱絵が主流となっている。愛好家のなかには“箱絵買い”する人もいるという。
箱絵は容れ物であると同時にプラモデルの完成見本でもある。資料や設計図を読み込み、実物の“表情”を甦らせる─そうした箱絵でファンを虜にした作家を紹介する。
●高荷義之作品
1955年に商業誌でデビューし、これまでに書き上げた作品は5000枚以上という箱絵界の巨匠、高荷義之氏。ミリタリーだけでなくガンプラの箱絵も描くが、「戦車画」はなかでも超一級で並ぶものがいない第一人者として知られる。単に戦車などを描くのではなく、どんな場面なのか、その絵の切り取り方で情景が浮かんでくる。
高荷義之作品(写真提供/タミヤ)※この製品は現在生産されていません
高荷義之作品(写真提供/タミヤ)
●大西將美作品
1966年に田宮模型に入社し、社内初のイラストレーターとしてミリタリーのプラモデル、箱絵を手がけた大西將美氏。入念な取材の上に描かれるイラストは細部まで緻密に表現され、彼にしか描けないリアルさは唯一無二。プラモデルを製作する上でも参考にされる箱絵だからこそ、大西氏の手がけた箱絵に惹かれるファンは多い。
大西將美作品(写真提供/タミヤ)
大西將美作品(写真提供/タミヤ)
取材・文/佐々木徹
※週刊ポスト2025年3月28日・4月4日号