出演・プロデュースする舞台『Mother ~特攻の母 鳥濱トメ物語~』について語るペナルティ・ワッキー(撮影/山口京和)
お笑いコンビ・ペナルティのワッキーといえば、「芝刈り機」「男性ホルモン受信中」「お化けの救急車」といったギャグのなじみが深いだろう。他にも全国高校サッカー選手権に出場したサッカー好きとしての一面や、ガン闘病を経験した側面も知られるが、もう一つの顔が10年以上出演しているという「舞台役者」としての一面だ。舞台にかける思いをワッキーが語った。(前後編の前編)
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――今、役者業の割合は、どのくらいなのですか?
ワッキー 何割もないですよ。『Mother~特攻の母 鳥濱トメ物語~』というお芝居をやっているだけです。これ以外は出演するつもりもないですし。
――先日、千秋楽を迎えたばかりのお芝居ですよね(配信公演は3月29日まで)。鳥濱トメさんは特攻隊基地があった知覧(鹿児島)の食堂「富屋食堂」の店主で、生前、特攻隊の母として親しまれた方で、脚本は史実に基づいて書かれているそうですね。
ワッキー この芝居は16年続いていて、これだけはこれからも続けていくつもりですけど。
――そうなんですね。芝居の出演をきっかけに、徐々に役者業にも手を広げつつあるのかなと思っていました。
ワッキー 僕は10年以上前から、もう4つのことしかしてないんです。1つは家族を幸せにすること。わざわざ言うほどのことじゃないかもしれませんけど。パパとして、当たり前のことなんで。次はお笑いです。次というか1番ですね。お笑いをやってるときが1番楽しいんで。もう1つは、日本サッカー、特にJリーグを盛り上げること。学生時代、ずっとサッカーをやっていて、僕の根幹はサッカーでつくってもらったので。
――市立船橋高校時代、全国高校サッカー選手権にも出ているんですよね。優勝候補の筆頭だった清水商業と2回戦でぶつかって、のちに日本代表となった名波浩選手のマンマークについたという話は有名です(試合は1−1の末、PK戦で敗れる)。
ワッキー そして、4つ目が『Mother』です。