事件発覚後、夫とは離婚した女性被告(40)
動画配信ビジネスが活発な昨今。素人から芸能人まで誰もが「配信者」として動画を公開し、「投げ銭」などの収益を得られるようになった一方で、配信にともなう金銭トラブル等も社会問題化している。
3月25日には、ある成人向けサイトで、自身の自慰行為などのアダルト動画を配信・販売した女性(40)被告の裁判が、横浜地裁で行われた。起訴状などによると、同被告は別名義で自撮りなどして作成したアダルト動画等の販売で、3年間で約2億1,000万円以上を売り上げ、約7,800万円の所得税、復興特別所得税の納税義務があったにも関わらず、確定申告を一切行わなかったという。
法廷で涙ながらに語る被告人の言葉からは、被告人のリアルな家庭環境や、動画配信に関する問題の深淵も感じさせられた——ライターの普通氏がレポートする。【前後編の後編。前編から読む】
「家族にバレるのが怖くて確定申告できず」
検察官からは、被告が活動していた当時の脱税の認識、そして再犯を防ぐために今後の生活の見通しなどについて確認された。
自身の行為が脱税行為であることは当然認識していたといい、毎日を不安な気持ちで過ごしていたと供述する。
検察官「会計の資格を持っていますよね」
被告「高校時代に簿記の資格は取りましたが、今は知識もなくて」
検察官「でも、確定申告しなければならないのはわかっていたのでは」
被告「確定申告したら、家族と離れ離れになるのではと考えたらどうしてもできず。また扶養の関係で夫の会社に仕事を知られて、家族が誹謗中傷を受けるのではないかと」
家族の話となると涙で言葉が詰まった。事件当時、被告には夫と子が2人いたものの、本件発覚後に離婚している。各種活動について、家族の認識がどこまであったかは不明瞭であるが、夫はDVDの焼き増し作業を一部手伝っていたものの、活動のほとんどは被告が単独で行っていた。