「ミスター赤ヘル」のヘディング事件もあったのに
ところで、本題だ。私が言いたいのは、ヘディングだけならもっと衝撃的な事件があったじゃないかって話だ。
広島の「ミスター赤ヘル」、山本浩二選手のヘディング事件だ。しかも、山本のケースは内野フライじゃなくて外野フライだ。これは、痛いだろう。でも、ほとんどの野球ファンは「ミスター赤ヘル」のヘディング事件を知らない。話題にならなかったからだ。
なぜか?
答えは簡単だ。男前だからだ。山本浩二には「笑い」の要素は求められていない。
でも、笑いの有無だけじゃないだろう。
しつこいようだが宇野は内野フライ。そして山本は外野フライだ。“事件性”の観点からしても、山本の勝ちだ。理系の人間ではないので物理学的根拠は示せないが、運動エネルギーを加味すれば、インパクトは山本の圧勝だ。
もしもおでこでボールを受けなければならない状況で、「内野フライか外野フライか」と問われて、「外野フライ」を選ぶヤツはいない。
なにが言いたいかっていうと、あのヘディング事件は宇野の愛嬌のあるキャラクターがあってこそ成立したってことだ。もっと言えば、宇野そのものの「愛される要素」が全国区だったってこと。そこをもう少し評価してほしいのだ。
巨人のミスター並みに前のランナー(これも大島だ)を追い越してアウトになったこともあれば、ユニフォームを持たずに球場入りし、急遽コーチのユニフォームで試合に出たこともあった。とにかく失敗談に事欠かない。ドラファンは宇野のエピソードだけで、ご飯4杯はおかわりできる。