シジュウカラは日本全国にいる全長約14.5センチほどの野鳥
鈴木:似ていますね! 他の動物にはその動物なりの「世界の見方」があるのに、人間の視点を押し付けてはいけないと思うんです。たとえば鳥は人とは違って空を飛べますし、人には見えない紫外線を見ることもできる。彼らから見た世界は、僕らの視点からの世界とは全く違うはず。
川上:そうですね。
鈴木:人間も同じで、川上さんにとっての世界と僕にとっての世界は違うはずなんです。でも、今こうやって考えを共有できている。それは、言葉があるからですよね。
(後編へ続く)
【プロフィール】
鈴木俊貴(すずき・としたか)/1983年、東京都生まれ。東京大学准教授。動物言語学者。日本学術振興会特別研究員SPD、京都大学白眉センター特定助教などを経て現職。文部科学大臣表彰(若手科学者賞)、日本生態学会宮地賞、日本動物行動学会賞、World OMOSIROI Awardなど受賞多数。シジュウカラに言語能力を発見し、動物たちの言葉を解き明かす新しい学問、「動物言語学」を創設。
川上弘美(かわかみ・ひろみ)/1958年、東京都生まれ。1994年「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞しデビュー。1996年「蛇を踏む」(芥川賞)、1999年『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)、2001年『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)、2016年『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花文学賞)などのほか著作多数。2019年紫綬褒章受章。
取材・文/佐藤喬
※週刊ポスト2025年4月11日号