左から、牧島氏の長女・かれん氏(元デジタル担当相)、小泉進次郎氏
純一郎は「打倒経世会」、いま求められるのは「打倒清和会」
インタビュー初日は総裁選と総選挙の合間の10月上旬。「裏金議員への比例重複なし」など石破茂首相が打ち出した方針について聞いたが、牧島氏は、「そんなのは関係ねえよ、力があれば無所属でも通るんだから。」と述べた(実際、萩生田光一や西村康稔氏らがそうだ)。
そして、そういう話じゃないんだ、とやや声を荒らげ、こう続けた。
「あなたね、小泉純一郎内閣がなぜできたんだって。今回は、あの時の逆なんだよ」
2024年10月時点でよく対比に引用された、2005年の郵政の刺客選挙ではない。牧島氏が言及したのは、小泉政治が始まることになる、2001年の自民党総裁選だ。
この時、橋本龍太郎優位の下馬評を覆す流れは、知名度の高い田中真紀子氏が小泉陣営についたことで生じた。師の仇敵・田中角栄の流れをくむ経世会政治を打破しようとした小泉と、父・角栄を蹴落とした旧竹下派(経世会)への憎悪をたぎらせる真紀子のタッグである。
小泉の原動力の一つが経世会への恩讐だったとみれば、今回はその逆――「打倒清和会」の恩讐が起動すれば、ドスの利いた迫力は国民に伝わり、停滞した日本の政治は新しい1ページを開くことができるはずだ。
そう、牧島氏は見ていた。
「だからこんどの選挙は“安倍政治の総決算”というテーマが正しいはずなんだ。10年続いた安倍支配に問題があったんじゃないかと問えば、歴史の転換点になる。そうでないと日本は変われないんだ」