ドナルド・トランプ米大統領によって実施されているさまざまな施策が、米国社会に大きな影響を与えている(AFP=時事)
ドナルド・トランプ米大統領によって実施されているさまざまな施策が、米国社会に大きな影響を与えている。4月2日には世界各国に対する相互関税の導入を発表し、世界の金融市場をパニックに陥れた。
しかしトランプ大統領の影響は経済に限らない。実は「死刑」にも多大な影響を及ぼしているという。大手紙国際部記者が語る。
「米国には死刑制度がありますが、かねてよりその賛否は割れていました。バイデン前大統領は政権移行を控えた昨年末、連邦死刑囚40人のうち37人を減刑しています。トランプ氏が第一次政権時(2017~2021年)に、20年間ほど停止していた死刑執行を再開したことを踏まえ、先手を打って死刑囚自体を減らしたんです。これをトランプ氏はひどく非難しました。
そしてやはり、トランプ氏が大統領になると、州レベルでも死刑執行が加速しています。フロリダ州もそのひとつです」
執行当日に告知される日本とは異なり、米国では1か月ほど前に執行が判明する。フロリダ州では4月8日、女性を誘拐して現金を奪って殺害し、遺体を遺棄した罪に問われたマイケル・タンジ死刑囚(48)の薬物注射による執行が行われる予定だ。同州では、3月以降、すでに2件の執行が行われており、確定死刑囚の執行が急ピッチで行われている。
「AP通信によると、タンジ死刑囚は2000年4月、駐車中のバンに乗っていたジャネット・アコスタさん(当時49)にカミソリの刃で襲いかかりました。アコスタさんを縛って誘拐する中で性的暴行を加え、彼女の銀行カードでATMから金を引き出した。そして最終的には、人里離れた地域で絞殺し、遺体を遺棄したという残虐な事件を起こしていました」(同前)
そんなタンジ死刑囚について、ロン・デサンティス州知事は、3月10日に執行の指示書に署名をし、今月8日の執行日が決まった。