米国内で拘束されたギャングのメンバーが米空軍輸送機でエルサルバドルに移送される様子(ブケレ氏のXより)
トランプ政権は不法移民対策を掲げており、いずれのギャンググループも2025年2月にFTO(外国テロ組織)に指定されています」(同前)。
今回のギャングメンバー17人の移送に先立つ3月中旬には、トランプ政権はより大規模な措置を強行しており、その際はトゥレン・デ・アラグアのメンバー238人をエルサルバドルに移送した。
トランプ大統領が適用した「敵性外国人法」
「このときにトランプ氏がギャングを国外追放するために適用した法律が『敵性外国人法』で、この法律を適用すれば、戦時中に敵国の出身者などを裁判所の手続きなしに拘束・追放できるようになる。先の大戦で多くの日系移民が収容所に送られたが、その際に適用された法律です」(同前)
敵性外国人法のギャング組織への適用をめぐっては、ワシントンの連邦地裁が同法律を使った不法移民の国外追放を差し止める仮処分を下すなど、米国内での混乱もみられる。3月30日にギャングメンバー17人を国外追放した際は、敵性外国人法の適用ではなく、他の法令に基づいて移送を行ったようだ。
自動小銃を携行したエルサルバドル兵が米軍輸送機を厳重に警護し、物々しく警察に引き渡される。まるで映画のワンシーンのようだ。