バリカンで丸刈りにされる様子も…(ブケレ氏のXより)
そうして彼らが移送されたのがトランプ大統領が言うところの「すばらしい生活の場」。定員4万人ともいわれる巨大刑務所「テロリスト監禁センター」だ。
「世界一恐ろしい刑務所」とも形容され、受刑者のほとんどが殺人や麻薬密売などの犯罪に関わったギャングメンバーだ。「受刑者は1日23.5時間を独房で過ごし、30分だけ廊下で運動する時間が与えられる。武装警備員や兵士が常に巡回しており脱獄は不可能。まさに生き地獄」(同前)だという。
エルサルバドルではギャングが勢力を拡大し、「世界一治安が悪い国」とも評されてきたが、2019年に大統領に就任したブケレ氏はギャングの徹底取り締まりを実行。同国の治安を回復させた。テロリスト監禁センターはブケレ氏が掲げた治安対策の象徴でもある。
不法移民対策を標榜するトランプ氏はブケレ氏の強権的な手法を評価しており、エルサルバドルが米国から約300人のギャングを1年間受け入れる見返りに、米国はエルサルバドルに600万ドル(約8億8000万円)を支払う合意を結んでいる。
ブケレ氏はギャング17人の受け入れ後、早速トランプ氏からホワイトハウスへの招待があったことを自身のXで公開しており、両氏の関係はますます近づきそうだ。