高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
4月8日、静岡県島田市の総合医療センターで女性看護師に暴行し、ケガをさせた傷害容疑で、女優・広末涼子容疑者(44)が現行犯逮捕された。事件の前、新東名高速道路・掛川PA付近のトンネル内で大型トレーラーに追突し、交通事故を起こした際などに、広末容疑者が不審な動きを見せていたことも大きく報じられている。
一連の報道を受けて、2000年代から自身も芸能界で活躍しているフィフィ氏(49)は、ほぼ同時期に詳細が明らかとなった「フジテレビ問題」などにも目を向けながら、広末が15歳という若さで飛び込んだ “芸能界”という特殊な世界について解説する。
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前提として、広末さんが起こした事故や、搬送先の病院で看護師に暴行を加えたことなど、彼女の行為を擁護するつもりはありません。
一方で、昨今取り沙汰されている「フジテレビ問題」や、一部タレントによる性暴力報道などを見ていると、彼女もある意味で“芸能界”の被害者なんじゃないかと、その点に関しては同情せざるを得ないという思いが芽生えた。
芸能界って間違いなく“特殊な環境”ですし、彼女は15歳という若さでその世界に飛び込んでいるんですよ。ただ単に「一般社会と大きく性質が異なる」という話ではありません。私が芸能界に入った2000年代でさえまだコンプライアンス意識は低く、今だったら糾弾されるようなパワハラやセクハラも、見逃されるような環境にありました。
例えば、たまり(=テレビ局における、収録スタジオの前室)にいるとき、大物司会者の方に「〇〇さん、最近遊んでくれないじゃないですか」って猫なで声で近寄る若いタレントがいたり、収録中にひな壇に座っていると、スタジオ裏から灰皿を投げつけるような大きな音やディレクターさんの怒号が聞こえたりしてた。
当時は、全部が全部ではないけど、普通の会社じゃ起こり得ないことが、当たり前のように起きる環境だった。直接的な被害に遭っている/いないにかかわらず、芸能界という“不健全な世界”が生活の中心にあり、そのなかで育った彼女は、単に「子供の頃から、大人の社会で働かされていた」という以上の負荷がかかっていたんじゃないかと思います。