若桜鉄道は蒸気機関車C12を所有しており、現在は構内で展示運転をしている。写真は2015年の試運転時(時事通信フォト)
先述したように、ふるさと納税の返礼品は和牛やマグロ・カニといった高級食材が人気だ。多くの自治体は高級食材以外の返礼品も用意しているが、そうした返礼品が選ばれることは少なく、高級食材への偏在は大きい。
デジタル商品券という形なら、そうした人気返礼品への偏在を平準化する効果が期待できる。なによりも”テツふる”は「行って応援!乗って応援!現地消費型ふるさと納税」と銘打っているので、ふるさと納税で返礼品を贈ってもらうことよりも、納税した人が現地まで行くことを前提にしている。これなら、ふるさと納税につきまとう官製ネット通販という批判にも当たらない。
まだ開始して日が浅いこともあり、テツふるに参加している自治体は2町にとどまる。しかし、「まだ発表はできる段階にはありませんが、近日中に4~5の自治体がテツふるに参加する予定です」(同)という。
まだ手探りなところもあり、通常のふるさと納税との差別化はこれからという段階にある。そんな見切り発車のような状態ではあるものの、「ローカル線の苦境は待ったなしの状態」(同)との理由から、ひとまずテツふるをスタートさせた。テツふるによって、ローカル線は再び活気を取り戻すことができるのか?