地面師事件の人物関係図
主犯同士の“嫉妬の気持ち”
土井からの届かぬ返信を待つなか、積水事件で不起訴になった7人のうちのひとりであるCとの往復書簡も始まった。
Cは積水事件では不起訴になったものの、別の事件で服役中の大物地面師。土井から相談を受け、要所でアドバイスや手配に関わったとされている。手紙では事件についてこう書かれていた。
〈この事件は土井と(内田)マイクの強い目的意識を受けて、私が協力した仕事です。最初から刑事事件になることを確信していた私は一切表に出ず、いくつかの大きなポイントでのアドバイスと手配に徹しました。おかげで私は不起訴となりましたが、全て話せば当然、有罪となっていたでしょう〉(2025年3月27日消印)
そんなCに、私はカミンスカスが訴える「エマイユ(法人登記簿上は銀座のアパレル会社だが実態は不明)・Bの関与」について聞いた。だが、Cはあっさりと否定した。
〈BはD(積水事件では逮捕起訴されていない地面師、手紙では実名)を介して永田浩資(積水事件の連絡調整係)と組んでいたと思います。(略)
小山が迷走しないようにと考えた私は土井とマイクを会わせることにしました。土井、マイク、私の3人で余計な人間を排除し、すっきりとした関係でストレートに作業を進められるようにしたのです。
この時点で土井もニセ地主だと気付いていました。そして土井の指示で小山はマイクに会うことになります。こうした流れで進んだ案件。小山が何も知らなかったという事はないですよね。(略)Bは主導権をマイクに戻してからは積水ハウスに関しては一切ノータッチです〉(同前)
こちらはカミンスカスも偽の地主だと知っていたとする説明だ。
偽造の権利証を作るなどした“主犯格”のもうひとりである内田マイクにも手紙を複数回送ったが、返答はない。
その内田もこれまでの裁判のなかで「本件詐欺に関する共犯関係から外された」「共謀していない」と主張をしている。