カミンスカス操からの手紙

カミンスカス操からの手紙

 改めて、操作時に自らの罪を認めて捜査協力し、すでに刑期を終えた「地面師」の1人・Aに話を聞くと、こう語った。

「『主犯ではない』と否定する内田の気持ちはわかる。彼はリスクの高い偽造の権利証作りを担ったのに、積水事件の主導権は土井さんに取られたようなものだからね。嫉妬の気持ちもあって“共犯から外された”と言うのだろう。地面師詐欺はチームでやるけれど、心の底から仲間意識があるわけじゃない。主導権と金の奪い合いだからね」

“主犯格”とされた3人は、あと3~5年の刑期が残る。カミンスカスに刑務所での日々について聞くと〈大してきつくない。昨年は運動会が実施され楽しかった。暇だから危険物取り扱い者とボイラー技師免許も取りました〉と飄々とした答えが返ってきた。

 罪を償う立場になっても、「地面師たち」が発する言葉には虚実ないまぜの色が濃く残っている。

■前編記事:《【「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手】積水ハウス55億円詐欺事件・受刑者との往復書簡 “主犯格”は「騙された」と主張、食い違う当事者たちの言い分》から読む

【プロフィール】
河合桃子(かわい・ももこ)/1977年、東京都生まれ。ライター。週刊誌を中心に執筆。幅広く取材活動を行なっており、特に性風俗にまつわる事件などアングラな業界を長年取材している。

※週刊ポスト2025年5月9・16日号

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