アスリート・コンサルタントの鴻江寿治(こうのえ・ひさお)氏は、2008年の北京五輪で男女バレーボール、男子野球、女子ソフトボールに、2021年の東京五輪で女子ソフトボールのチームスタッフに加わり、特にソフトボールでは2度の金メダル獲得の目撃者となった。また、ともに世界一に輝いた2006年の第1回、2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に帯同した経験を持つ。
鴻江氏は、長年に渡ってトップアスリートの指導を行ったことで、人を「うで体」と「あし体」の2タイプに分ける独自の「鴻江理論」を構築した。その真髄を聞いた。
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「人生100年時代」と言われるようになってから、どれくらい経つでしょうか。いつまでも元気にいたい、自分の足で歩きたいという人がほとんどでしょう。
私は、「アスリート・コンサルタント」という肩書きで活動しています。と言っても、私自身が、スポーツでめざましい実績をあげてきたわけではありません。むしろ、野球少年だった頃からケガをしがちで、体力もないほうでした。
それでもいま、野球を始め、ソフトボール、サッカー、バレーボール、ゴルフなど、さまざまな競技に取り組むアスリートたちを相手にしています。彼らは、ベストパフォーマンスを出すために24時間、人生のすべてを捧げています。私は、これまでに20年以上に渡って、アスリートたちの悩みに答えてきました。
ありがたいことに、五輪やWBCに帯同したことで、歴史的な瞬間を間近で見届けることができました。ただ、どんなに素晴らしい結果に到達したとしても、そこで闘う選手たちは、常に絶好調というわけにはいきません。不調にあえぐ選手もいれば、故障を抱えながら、痛みを我慢してプレーしている選手もいます。
私の立場から言えば、とにかく余計な雑念を取り除き、プレーに集中してもらうことに苦心してきました。多くのアスリートと触れ合う中で見えてきたのが、人の体は2タイプに分かれるということです。
具体的には、猫背型の「うで体」と、反り腰型の「あし体」です。