人は誰でも体の歪みを持っている
先に触れましたが、「鴻江理論」は、人を猫背型の「うで体」と、反り腰型の「あし体」の2タイプに分類することから始まります。
具体的には、「うで体」は右肩が下がっており、右の腰が少し前に出ている。逆に、「あし体」は左肩が下がり、左腰が前に出ています。よく、「体のバランスを整えよう」と言ったりしますが、私に言わせれば、人は誰でも体の歪みを持っています。こういった歪みがあるのは普通のことで、決して悪いことではありません
むしろ大事なのは、自分がどちらのタイプかを知り、自分の体に合った体の動かし方をすることです。自分がどちらのタイプかは、簡単にチェックする方法があるのでいくつか紹介します。
まずは、シンプルに自分の体を鏡で見てみることです。両肩のラインはどちらに傾いているか。手の位置が左右どちらかが上がっているかを見ることで、肩の傾きが確認できますね。また、へそがどちらを向いているかで、骨盤の開き(=どちらの腰が前に出ているか)がわかります。
それ以外にも、例えば、無意識に足を組んだとき、右足を上にする人は「うで体」。左足を上にする人は「あし体」です。また、後屈が得意なのが「うで体」。前屈が得意なのが「あし体」といった具合に見分けることができます。
まれにどちらのタイプか判別できないような、バランスのとれた人がいないわけではありませんが、程度の差はあれどほとんどの人はどちらかのタイプに分類されます。
東京五輪の女子ソフトボールのメンバーも、2つのタイプにきれいに分かれていました。チーム全体の平均年齢が高く、故障を抱える選手も多くいましたが、ハードな事前合宿をこなし、最高の状態で本番を迎えることができたのは、それぞれのタイプに合った練習を積めたからだと思っています。