「子どものオンラインゲーム 無断課金につながるあぶない場面に注意!!」と国民生活センターが発表してからというもの、心当たりがあったり、もしやと不安にかられている保護者は少なくない。「まさか、うちの子が」と、使い古された言葉が繰り返されるのはなぜなのか。子どものネット関連トラブルと対策に詳しい成蹊大学客員教授高橋暁子さんに聞いた。
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「古いスマホを小学生の子どもに貸していたら、知らぬ間に30万円以上も課金していた。契約していないスマホだから大丈夫だと思ったのに…。子どもが勝手にやってしまったので、何とか返金してもらいたい」
青ざめた顔で打ち明けた30代女性は、最初はなぜそんなことになったのか分からなかったという。改めて子供に使わせたスマホを調べると、以前、何かを購入したときのアカウントでログインしたままになっており、たとえ携帯電話としては不通でも、インターネットに接続さえしていれば購入できる状態になっていた。そして子どもは、スマホをWi-Fiに接続して利用していた。
「ゲームを利用しているのは知っていたけれど、課金するほどハマっているなんて思わなかった。金額も大きいしこれでは生活ができない。一体、どうしたら…」
お下がりスマホでゲームをしていても、それは無料の範囲内で遊んでいるとばかり思っていた。失った金額も痛手だが、ゲームの遊び方や時間を把握していなかったことなど、親としての自分を責める気持ちがおさまらないのが辛そうだった。
国民生活センターが3月14日に公表した2022年度の小中学生のオンラインゲームに関する相談件数は4024件で、課金額の平均は約33万円だった。センターへ相談に至らなかった暗数があること、筆者が実際に相談されている頻度などを考えると、不通に身近で起きていることだと考えられる。
中学生の息子がいる40代女性も、ゲームの課金について告白され、困惑し、相談内容を語り始めた。
「自分のスマホで5万円以上も課金したと言うんです。キャリア決済で課金していたので、半年近くも気づかなかった。料金が高いとは思っていたけれど、まさか課金していたとは…。せっかくのパート代が消えてしまう。何とかならないか」