iPhoneに指紋認証センサーが導入されたのは2013年だった(イメージ、時事通信フォト)

iPhoneに指紋認証センサーが導入されたのは2013年だった(イメージ、時事通信フォト)

 利用明細をその都度、細かく確認していたら早く気づけたかもしれない。だが、こまめに毎月、すべての明細を確認しながら生活できている人はどのくらいいるだろうか? だれでも陥る事態だ。

 彼女たちが話すように、子どもが保護者に無断でオンラインゲームに課金する事例は後を絶たない。中には、数十万円以上と驚くほど高額になっている例も多い。なぜこのようなことが起きているのだろうか。

自分の指紋を登録し認証突破も

「うちの子に限ってまさかと思った」
「小学生だからわからないと思っていた」

──これらは、相談だったり、被害を打ち明ける多くの保護者が異口同音に使う言葉だ。

 予想もしなかった地震が起きた、事故に遭ったようで、なぜこのようなことになったのか原因が分からない、と受け止めている人が多い。しかし実際は、トラブルが起きた経緯を落ち着いて検証すると原因が見えてくるものばかりだ。親が設定しそうなパスワードを推測して突破した例はもちろん、保護者の指の動きで推測してパスワードを突破した例、スマホに残る指跡からパスワードを突破した例など、まるでハッカーのような事例も珍しくない。

 子どもとネットの専門家という立場で聞いた話、相談をうけた話だけではない、筆者も過去に、トラブルが起きる寸前になって気づかされたことがあった。

 筆者の息子も小学生時代に、油断した夫が眼の前で解除したパスワードを記憶しており、こっそり解除して利用していたことがある。子どもの観察力と、興味があることへの集中力、記憶力は大人の予想を上回っており、そのくらい子どものスマホを自由に使いたい、課金したいという気持ちは強いのだ。課金こそされなかったが、子どもが勝手に利用する事例が相次いでいる理由がつくづく実感できた。今どきのスマホは顔認証や指紋認証等の生体認証なので破りづらいが、それを上回ってくる子どももいる。

 子どもとITリテラシーについて講演など話をする機会を各地で持たせてもらっているが、そのとき多くの保護者から相談をされるのだが、話を聞いているうちに、課金の仕組みを十分に理解していなかったり、子どものことを甘く見ていたり、金銭やパスワード管理などが不十分などの問題があることを強く感じる。

「情報」科目が必修となって以降の親世代が増えてきているとはいえ、消費者トラブルに繋がる危険性については、ほとんど教わっていない。実践的なITリテラシー教育を受けていない世代なので同情すべき部分もあるが、子どもにスマホを、ネットを利用させる責任は保護者にある。それをわかった上で、今からでも意識的に学ぶ必要があるのではないだろうか。

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