ライフ

「青切符」導入決定で自転車取締りが強化 歓迎の声がある一方で「ママチャリで車道は怖い」

自転車の違反走行の取締りはたびたび実施されてきた。警察官に警告を受ける男性。2011年(イメージ、時事通信フォト)

自転車の違反走行の取締りはたびたび実施されてきた。警察官に警告を受ける男性。2011年(イメージ、時事通信フォト)

 1971年から毎年、報告されてきた交通安全白書(内閣府)は、その時代の交通課題について特集を組んできた。最新の令和5年版では、自転車の安全利用の促進が特集テーマに掲げられている。日本の総人口が減少するにつれ交通事故が全体的に減少する一方、「10年間で全ての死亡重傷事故件数が約4割減少しているのに対し,自転車関連死亡重傷事故は約3割の減少」と、体感として自転車による深刻な事故が増えていることを示している。人々の生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、2026年までの「青切符」導入で取締りが強化される自転車利用をとりまく人たちの声を聞いた。

 * * *
「少し携帯を取り出して確認しただけなのにね。みんな守ってやしないのに運が悪い」

 自転車から降りて苦笑いの高齢男性、都心の繁華街とあって自転車の往来もまた激しい。そして今日は警察官の数も多いが自転車を集中して声掛けしているのがわかる。職質でなく、交通違反だ。

 筆者の見た取り締まりは携帯のいわゆる「ながら運転」などだったが、都内でも別の場所では信号無視や一時停止違反なども取り締まっていたと報じられている。

 5月29日のこの日、都内117カ所でついに警察による自転車の一斉取り締まりが行われた。

 実に大規模な取り締まりで、読者の中にも取り締まりの様子を見かけたり、それこそ違反で「自転車指導警告カード」(以下、警告カード)を渡されたりした人もいるかもしれない。

 それでも高齢男性は「罰金(反則金のこと)なくてよかったよ」と話していたが、他の違反者を見てもそれほど堪えているようには思えなかった。実際「運が悪い」とも。他の人だと折りたたみ自転車の若者は取り締まりに「たかが自転車でしょ」と笑っていたが、これが2026年までに導入予定の「青切符」制度が始まると自動車やオートバイと同様に反則金の支払いを求められることになる。

自転車から、車と同じように罰金取るのはいいと思う

 今回の取り締まり、いわゆる「青切符」制度、正式名称では交通反則告知書の導入が決まったことに対する周知と、年々増加する自転車の事故に対する啓発行為の一貫でもある。交通事故の自転車関与率は2018年の36.1%から毎年増加し2023年には46.3%となった。

関連記事

トピックス

船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
MajiでFukkiする5秒前(時事通信フォト)
2年ぶり地上波登場の広末涼子、女優復帰は「過激ドラマ」か 制作サイドも“いまの彼女ならなら受けるのでは”と期待、“演じることにかつてなく貪欲になっている”の声も
週刊ポスト
YouTubeでも人気を集めるトレバー・バウアー
【インタビュー】横浜DeNAベイスターズ、トレバー・バウアー「100マイルを投げて沢村賞を獲る」「YouTubeは第2の人生に向けての土台作り」
週刊ポスト
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《ドバイの路上で脊椎が折れて血まみれで…》行方不明のウクライナ美女インフルエンサー(20)が発見、“危なすぎる人身売買パーティー”に参加か
NEWSポストセブン
旧統一教会は今後どう動くのか(時事通信フォト)
解散命令を受けた旧統一教会 「自民党への復縁工作」もありうると鈴木エイト氏指摘、教団と議員の関係を示す新情報リークの可能性 石破首相も過去に接点
週刊ポスト
藤川新監督(左、時事通信フォト)の船出とともに、名物商店街にも大きな変化が
阪神「日本一早いマジック点灯」のボードが電光掲示板になっていた! 名物商店街が今季から「勝った翌日に減らす」方式を変更 貼り替え役の店長は「ようやく解放される」と安堵
NEWSポストセブン
公開された中国「無印良品」の広告では金城武の近影が(Weiboより)
《金城武が4年ぶりに近影公開》白Tに青シャツ姿の佇まいに「まったく老けていない…」と中華圏のメディアで反響
NEWSポストセブン
女子ゴルフ界をざわつかせる不倫問題(写真:イメージマート)
“トリプルボギー不倫”で揺れる女子ゴルフ界で新たな不倫騒動 若手女子プロがプロアマで知り合った男性と不倫、損害賠償を支払わずトラブルに 「主催者推薦」でのツアー出場を問題視する声も
週刊ポスト
すき家の「クチコミ」が騒動に(時事通信、提供元はゼンショーホールディングス)
【“ネズミ味噌汁”問題】すき家が「2か月間公表しなかった理由」を正式回答 クルーは「“混入”ニュースで初めて知った」
NEWSポストセブン
本格的な活動再開の動きをみせる後藤久美子
後藤久美子、本格的な活動再開の動き プロボクサーを目指す次男とともに“日本を拠点”のプラン浮上 「国民的美少女コンテスト」復活で審査員を務める可能性も 
女性セブン
スシローから広告がされていた鶴瓶
《笑福亭鶴瓶の収まらぬ静かな怒り》スシローからCM契約の延長打診も“更新拒否” 中居正広氏のBBQパーティー余波で広告削除の経緯
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・HPより 写真はいずれも当該の店舗、スタッフではありません)
《丸ごとネズミ混入》「すき家」公式声明に現役クルーが違和感を覚えた点とは 広報部は「鍋に混入した可能性は著しく低い」と回答
NEWSポストセブン