JFAのプロフェッショナルレフェリーは全体の「0.007%」
2023年3月末時点で、日本サッカー協会に登録している審判員は約27万人。その多くは4級審判員だ。講習を受けることでほぼ取得できる4級審判資格は全体の85%(約23万人)を占める。自分の子供や地元のサッカー少年たちのために審判をする保護者も含まれる。
都道府県サッカー協会の主催試合をジャッジする3級審判資格保有者は約3万5000人(全体の13%)と激減する。4級と3級の数に大きな隔たりがあるのは、3級審判員への昇級に競技規則テストと体力テストが加わるためだ。2級、1級と昇級するにしたがって、さらに合格基準のハードルは上がる。
2級審判資格保有者は3777人(全体の1%)、そして1級審判資格保有者は270人だけ(全体の0・1%。うち女性は55人)。この中には24人の国際審判員(主審11人、うち女性4人。副審13人、うち女姓4人)がいる。西村を含むプロフェッショナルレフェリー(19人)は審判員全体のわずか0.007%にあたる希少な存在だ。
「自身のキャリアアップとして上級を目指す審判員ももちろんいますが、私はどちらかというと昇級意欲がモチベーションではないタイプでした。どのレベルの審判員であろうと、選手たちの夢を支えることができることに変わりはないという考えでした。
結果は後からついてくるというか、審判員を地道にやっていくなかで私のジャッジを評価してくれた人が、自分を次のステップに引き上げてくれたのだと思います。それから、当時は若い年代の審判員を育成強化していく時期だったこともあり、“上の級に進んで、高いレベルの試合を担当してみたら”と、みんなに背中を押してもらいました」
3級審判に昇級してからは、仲間とともに東京都サッカー協会審判委員会が開催するセミナーや研修会などを受講しながらスキルアップをしてきたという。