輸入されたホルスタインは役目を終えると、国産牛として販売される場合もあるという。(写真/PIXTA)
国内製造の表示は業界の都合
「長いところルール」と同様に、カラクリが潜むのが「国内製造」という表示だ。
「『国内製造』とあっても、原材料が必ずしも『国産』ということではない。あくまでも、国内で製造されたというだけです。
たとえば、そばの乾麺で、中国産のそばの実を輸入して日本で製粉している場合は『中国産』と書かずに『国内製造』と書くことが食品表示法で定められています」(垣田さん・以下同)
同様に、中国産の小豆を国内で加工したあんこを使ったまんじゅうの場合は、その原料原産地表示には「あん(国内製造)」と書かれるのだ。
なぜ、こうした紛らわしい表示が義務づけられているのか。
「業界側の都合が通った結果です。こうした法律の審議段階では食品業界や学者、消費者団体などの代表者が審議会で意見を出し合いますが、消費者団体の割合が出席者の2割程度にとどまる一方、食品業界の関係者はこぞって出席し、自分たちが利益を得るために口々に意見を主張する。そのため、どうしても業界に都合がいい法律になってしまう」
そうした“利権”のもと多くの外国食品が「国内製造」とされてきたが、米の加工食品については別だという。
「外国産を日本で製粉した米粉の場合、それは『米(外国産)』と書かなければならない。米は日本の主食なので、特別扱いされているのです」