Aさんは「絶対に許さない」
法廷ではAさんの傷痕の写真も公開された。腹部を25ミリも縫い、傷痕はいまも鮮明に残っている。Aさんは被告人のような女性を見かけると動悸が止まらず、バイトの応募をしても、ネットに名前が出てることを理由に断られていると証言。伊藤被告に対しても「同じ傷を負わせたい。同じ痛みを負わせたい。たった2回しか会ってないのに、なぜ変な恨みを買われなければいけないんだ」などと強い怒りを見せた。
一方、伊藤被告は事件から1年経ち、どう思っているのか。弁護人に問われた伊藤被告は「人を刺すということは本当によくなかった」「証拠として提示されたAさんの傷痕を見たら想像以上だったので申し訳なかった」と口にするものの、「そのこと(傷痕が残った)については申し訳ない」と含みを持たす。
Aさんへの感情は処理できないままのようで、「どこでなにをどうしていたらこういう結果にならなかったのかが、まだわかっていない」と述べ、涙声に。「Aさんの真意も分からないし、いまも十分反省できていない。自分自身と向き合って考え続けなければいけない、過去と未来について」と声を震わせながら口にした。