家族、乱倫パーティの仲間とは縁を切る
伊藤被告は手紙のやり取りをしていた母親に公判の日時を伝えたというが、傍聴席に母親らしき人物は確認できなかった。物心つく前に離婚した父親も一度面会に来たというが、「無神経なことを言われた」と漏らしていた。
伊藤被告は罪を償った後は家族、乱倫パーティの関係者と縁を切り、「できるだけ穏やかな生活がしたい」と、大好きな作家・伊坂幸太郎ゆかりの地である宮城県で生活したいと考えているという。鑑定医から指摘された「お金への強い執着」に対しても「落ち着いた生活をして刺激を求めないようにする」とハンカチで涙を拭いながら答えた。Aさんの治療費550万円も出所後、少しずつ返していくという。
7月18日の判決で裁判長は最後に「偏った性格が事件に繋がったものの、その性格もまた自分の個性。その個性がいい方向に繋がればいい個性として発揮できる。自分の個性にとことん向き合い、把握して掴んで出てきてほしい。福祉など頼れるものに対し躊躇はいらない。人の縁に恵まれればいいと裁判所一同で願います」と言葉を添えた。
(了。前編から読む)