芸能

99歳で死去の桂米丸さん 新作落語に懸けた人生「奇抜なネタを作っても現実が追い付いてくる難しさ」を経て辿り着いた「人間をテーマにする」という考え方

亡くなった落語家の桂米丸さん

亡くなった落語家の桂米丸さん(時事通信フォト)

 99歳で亡くなった落語家の桂米丸さん。本誌・週刊ポストが8年前に、当時91歳の米丸さんにインタビューした際には、SFやホームコメディなど新作落語一筋でやってきたことの理由も明かしていた。なぜ新作落語を手掛けたかを聞くと、米丸さんは若い頃と変わらない張りと艶のある甲高い声でこう話していた。【前後編の後編。前編から読む】

「私は古典落語がやりたくて入門しようとしたのに、師匠(5代目古今亭今輔)が“古典でなく、今の話をやりなさい”と言うわけ。“古典はうまい人が沢山いるし、あとから威勢のいいのが入門してきたら、あんたは負けちゃうだろうね。だから新作をやりなさい。新しい話をやるなら弟子にする”と言われた。それで新作落語を目指すことになった。

 凄い師匠なんですよ。師匠は群馬出身で上州訛りがあるから、江戸っ子の話をするとハンデがある。苦労した末に新作落語に転向した。自分がしてきた苦労をさせたくないというわけですよ。“苦労してもいいので、古典落語をやってみたい”と食い下がったが、一言“無理です”といわれてしまった。

 もちろん若い頃は苦労しましたよ。落語家じゃ食えないから、倉庫番のアルバイトをしました。昔の寄席は夜だったので、昼間は倉庫番をしていた。それでも師匠は“お前を20代で売り出す。そこで売れないと40代になってしまう”と言う。“30代はないんですか”と聞くと、師匠は“ない”と一言。たしかにこの世界は修行が長く、前座修行4年で、大卒なら20代後半になる。二つ目で30代、真打になるのは40代だからね」

関連記事

トピックス

交際中とみられる柏木由紀とすがちゃん最高No.1
《熱愛スクープ》元AKBの柏木由紀(33)と「ぱーてぃーちゃん」すがちゃん最高No.1(33)が交際「ラブ&ゲッチュな存在です」直撃取材に笑顔で回答
NEWSポストセブン
打ち上げにて、斜め向かいの席に座る、すがちゃんと柏木。言葉を交わす場面も多かった(2024年8月撮影)
《ツーショット》元AKB48・柏木由紀に人気チャラ男芸人との熱愛発覚、早朝4時の「ラブラブ帰宅シーン」
NEWSポストセブン
韓国、ソウルで行われたディープフェイクを用いた性犯罪への積極的対策を求める緊急集会(AFP=時事)
《韓国では知り合いの写真や卒アルから作成、拡散も》一般人も未成年も被害者となるディープフェイク性犯罪の卑劣さ 元アイコラ職人「タガが外れたなという感じ」
NEWSポストセブン
佳子さま、手話を使う人々の間で“アイドル的存在”に 『オレンジデイズ』『星降る夜に』の手話監修者が明かした「佳子さまの手話」の美しさ
佳子さま、手話を使う人々の間で“アイドル的存在”に 『オレンジデイズ』『星降る夜に』の手話監修者が明かした「佳子さまの手話」の美しさ
週刊ポスト
秋場所
秋場所の向正面に「溜席の着物美人」が! 盛夏に着る薄物で観戦の理由を本人明かす「異常な暑さで館内の熱気が凄い」「後半戦は単衣にしたい」
NEWSポストセブン
未成年誘拐の容疑で逮捕された小坂光容疑者(26)と、薬物中毒で亡くなったAさん
「春先から急に“グリ下”に......」「若い中高生らを集めて遊んでいた」未成年3人誘拐の小坂光容疑者のSNSに残されていた「亡くなった女子高生の青い舌」
NEWSポストセブン
藤澤五月(時事通信フォト)
ロコ・ソラーレに新たな筋肉ムキムキ選手、藤澤五月超えの“肉体”目指す人気選手 ボディビル系トレーニングを控える「暗黙の了解」
NEWSポストセブン
事件に使用された銃(時事通信フォト)
「生きとったんか!」山一抗争で山口組組長を射殺したヒットマン部隊直属の指示役が逮捕されヤクザ界騒然 指名手配され約40年行方不明だった男の“数奇な運命”
週刊ポスト
郵便局員が郵便物を配達せず捨てていたことが判明(時事通信フォト)
約3000通の郵便物を捨てた10代新入社員、背景に「昼休みを取れず残業が横行…」元職員が明かす“ブラック職場”疑惑 日本郵政は「労働力の確保に苦労している」
NEWSポストセブン
制度的に辞職に追い込む方法はあるのか(時事通信フォト)
“無敵の人”斎藤元彦・兵庫県知事、強制的に辞職させるのは簡単ではない 不信任決議には「議会解散」、リコールには「66万人の署名」の高いハードル
週刊ポスト
カラになった米売り場の棚(AFP=時事)
《令和の米騒動リポート》足りないのは安い米?米は本当に不足しているのか 米農家は「価格の知覚がおかしな消費者が増えた」と悲痛
NEWSポストセブン
小柄女性と歩く森本レオ(81)
《今でも男女は異文化交流だと思う》森本レオ(81)が明かした世間を騒がせたスキャンダルの真相「女性に助けられた人生でした」
NEWSポストセブン