最後は「あっけなかったね…」と言われたい
このインタビューで米丸さんに「人生の最期を考えたことは」と聞いたところ、こんな答えが返ってきた。
「先輩たちが歳をとっても、昔の若い時の威勢のいい姿が印象に残っていますからね。そういうのを見ると哀れさを感じることもある。誰でも最後はそうなるが、あまり見せたくないという気持ちはどこかにある。何歳になっても、面白いネタができた時は、みんなに聞いてもらいたいと思っているのと真逆ですね。どっちがいいのかよくわからない。
でも、みんなに世話をかけずに、あっけなかったね…と言われたい。欲を言えば、痛まないで、苦しまないで、自然に最期を迎えたいとは思いますね。誰も思っていることだと思いますけどね」
米丸さんのは老衰のため都内の病院で亡くなった。家族に見守られて眠るように旅立ったという。米丸さんが思っていた通りの最期だったのではないか。合掌。
(前編から読む)
■取材・文/鵜飼克郎(ジャーナリスト)