最近ではミックス犬を作ったりするブリーダーもいます。有名どころではトイプードルとチワワで『チワプー』とか。珍しい犬として乱繁殖をしています。さらに、ひどいのは大型犬と小型犬を掛け合わせることです。これは命に対する冒涜です。こうした犬を何の問題意識も持たずに買ってしまう消費者もいる。悪質な業者はとにかく利益を上げることにしか意識がない。業界団体も見て見ぬふりをしているケースもありましたね」
──おっしゃるように、利益至上主義が悪質な業者の根本にあると思います。埼玉の施設関係者が証言した用済みとなった犬の“処分方法”は耳を疑いたくなるようなものでした。
「儲かってしまうからこういうことをしてしまうのです。そもそもペット業界の未経験者が突然ブリーダーを始めているケースが多くみられます。動物が好きでもないまったく異なるジャンルの事業者が、儲かるだろうと兼業で事業を始めたり、もしくは、動物好きがきっかけだったかも知れませんが、知識も経験もなく我流で始めそのうち金儲けに走ることも多々あります。私たちが告発した長野県の業者『A』もまさに、そうでした。こういう人たちが『犬は商売になる』と知り、どんどん産ませてオークションに出して莫大な利益を得ていた。