「セカンドレイプの町」と言われ……
草津町役場3階、階段すぐそばにある町長室のドアはいつも開け放たれており、奥にある町長席の手前には来客用のソファが並んでいる。町長席の後ろはガラス張りだ。向かいには交番が見える。新井氏が「町長と町長室で肉体関係を持った」と主張している2015年1月8日の朝10時も、変わらず同じ環境だった。この町長室で黒岩信忠町長は取材に応じた。
「町長職を抱えながら戦うというのは多大な負担がありました。弁護士さんへしっかりと説明するために書面を作成したりすることもそうですが、5年にわたる民事裁判の費用は全額自分で出しました」(黒岩町長、以下同)
問題の電子書籍『草津温泉 漆黒の闇』(現在は発売中止)は、シリーズとして複数巻が刊行されていた。この書籍の存在を、町議や町長は把握していたという。新井氏による「性被害告発」が掲載された『草津温泉 漆黒の闇5』(同前)は2019年11月ごろに発表された。町長は当時、内容を確認後、すぐに警察に相談した。