肌や毛の質感まで細かく塗装(HPより)
弁護側の「猛反撃」
検察側の追及の後、弁護人からの最終尋問が行われた。検察官は浩子被告への任意の取調べで作成された調書に基づく質問を行っていたが、その引用に弁護人は度々「不正確だ」と異議を申し立てていた。
取調べは休憩を挟みながら、午後0時台に始まり午後10時近くまで続いた。しかし、冒頭の約2時間は録音録画されていなかったと言う。浩子被告と弁護人はこの最終尋問に向けて、録音・録画されている8時間分の音声とその文字起こし、裁判での反訳を確認・準備していた。
弁護人「裁判では調書を引用しながら『エタノールを買ったのは“娘の計画”に必要だから?』と聞かれて『そうかもしれません』と答えたやりとりが明らかになりましたね」
浩子被告「はい」
弁護人「しかし(取り調べの際の)録音を確認すると……」
弁護人が反訳をもとにやり取りを再現する。
警察官「エタノールって何に使うの?」
浩子被告「何か消毒とかでしょうか」
警察官「何の消毒?」
浩子被告「特に聞いていません」
弁護人がつづける。
弁護人「録音でエタノールと合計6カ所で出てますが、『娘の計画に必要』とあった?」
浩子被告「なかったです」
弁護人「なぜ調書の訂正を求めなかった」
浩子被告「あまりに訂正の箇所があったので」
弁護人「裁判の中で検察官から『計画に必要と話しましたよね?』と聞かれ、『話したと思う』と言ったのはなぜですか?」
浩子被告「二度同じことを聞かれたのと、『ありましたよね?』と聞くので、そうなのかなと思ってしまいました」
このような形で、録音が残されておらず、浩子被告が意図しない調書の記載について、弁護側は一つ一つ意見を述べていった。複数あった中で印象的なやり取りを一つ紹介する。