三重県津市議会の青山昇武議長が女性市議への「不同意わいせつ」と「不同意性交等未遂」の疑いで書類送検された(左・Facebookより)
会期中の三重県津市議会。さまざまな地域の課題についての討論が重ねられ、深夜まで開会していることも珍しくない。しかし、全議員が口にするのが憚られている“禁断の話題”があるという──。【前後編の前編】
市議会関係者が重い口を開く。
「2023年7月19日〜21日、先進自治体のデジタル化や防災対策視察のために市議団が北海道を訪れました。小樽での視察後の夜、酒席を囲んだ後に宿泊先のホテルのエレベーターで、男性市議が女性市議に無理矢理キスをし身体を触ったという疑いにより、昨年9月、警察に書類送検されたんです。
女性市議が被害届を提出した後に捜査が進められ、現在、男性市議に不同意わいせつと不同意性交等未遂の疑いがかけられています」
すでに新聞各紙は男性市議が両容疑で書類送検されていることは報じられているが、加害者とされる議員の名前や犯行の詳細は不明だ。
しかし取材を進めると、性加害疑惑がかかっているのは、公明党の青山昇武議員だと判明。公式サイトによると、津市に生まれ、高校時代は家計を支えるためにアルバイトしていたという苦労人だという。〈「人の痛みが分かる」 そんな思いを持って政治の場へ〉と、2010年に津市議会議員初当選を果たし、4期目の現在は津市議会の議長を務めている。
公費による視察先での出来事にかかっている“疑惑”。「市民の信認を得て議会運営を行なっている議員が当事者であるなら、事実調査がなされるべき」(市政関係者)という意見もあり、昨年末、議会ではこの件についての調査委員会等の設置を求める動議が発された。しかし──。