大谷のポスターを見るたびに…
青い悪魔、なんて言わない。だって、あんなにさわやかなユニフォームなんだから。ブルーとホワイトのコントラスト。夏の少年たちにとって「さわやか」の代名詞といえばカルピスの青い水玉模様かドラゴンズブルー。それが双璧だ。夏の終わりの切なさは、プロ野球シーズンの終わりと重なり、無垢なハートをキュンさせた。
そう、シーズンが終わると、ドラゴンズのユニフォームを見る機会は俄然少なくなる。東京で暮らしていれば、なおさらだ。
昨年からは、大谷翔平選手のポスターを見るたびに、「おっ、ドラゴンズだ」って、いちいち反応してしまう。大谷の活躍を“ドラゴンズの活躍”とみなすファンもいるらしい。
いまのロサンゼルス・ドジャースのユニフォームって、1周回ってドラゴンズに寄せてないか。そう思うのは私だけだろうか。
もちろん知っている。ドラゴンズがドジャースを真似したことは。単に頭文字の「D」がかぶっているってだけでパクったって。だから本家は向こうです。
でもね、戦後の日本は何から何まで「それ」でしょう。米国式民主主義も、デニーズも、歌も映画もドラマも娯楽番組も、ジャイアンツも、タイガースも。
いや、カープは違うな。カープは模倣じゃない。そこは見上げたもんだが、カープって鯉。鯉は魚。魚でいいのか? 広島のファンは。野球は強いからいいんだけどね。とくに矢野雅哉選手は素晴らしすぎる。
そういえばカープのマークって、シンシナティ・レッズの「C」にそっくりだ。それよりも中央大学か。我が家の近くには中央大学の大学院があって、職場の最寄り駅には法学部があるから、いちいち「おっ、カープ。いやっ、中央か」ってやるはめになる。
もう広島の話はいいって。でも、魚はなあ。だって、横浜DeNAベイスターズは、いまでこそ都会っぽい風を吹かせているけど、元々大洋ホエールズで、親会社は大洋漁業(後にマルハを経てマルハニチロとなる)だ。缶詰にされかねないよ、鯉も。
大洋は緑とオレンジのユニフォームだった頃、あの毒々しい色使いに、「ドラファンでよかった」とホッとしたものだ。似合っていたのはジョン・シピン選手くらいだ。