“他力本願”の中日ファン
誤解してほしくないんだけど、高木を貶めようとして書いているわけじゃない。高木はドラゴンズでは超のつく一流選手だ。この厳然たる事実が揺らぐことはない。
そもそも高木の話題になったのは、本当に実力のある選手がオールスターのファン投票では報われず、巨人や他の人気球団に持っていかれるっていう不満を書きたかったからだった。忘れてた。監督推薦での出場って、なんか「名誉白人」枠みたいで、釈然としないと書いた。だから高木のために怒っているんだ。
いや、怒っていた、だ。いつ? 小学生のときだ。
だから、大人になってもまだ怒っているかと訊かれれば、そうでもない。それどころか、小さな後ろめたさがあって、怒りを燃やしきれない。生木を燃やすような感じだ。
じゃあ、何が後ろめたいのか? その正体は、明らかだ。
投票だ。権利の行使だ。考えてみればオールスターファン投票で、私は一度も高木に1票入れた記憶がない。
それどころか、いまだにどうやって投票するのかも知らない。知ろうとしたこともないような気がする。
「AKB48」のファン並みに、なんて贅沢は言わないが、1回くらい投票すべきだった。少なくとも祖母をのぞく家族5人はみなドラファンだった。これで5票になったはずだ(システムはそんなに簡単じゃなかったかもしれないが)。
そういえば、私の周りにはたくさんの少年ドラファンがいた。しかし、彼らから「おれ、高木に1票入れた」って話は、ついぞ聞いたこともなければ、「お父さんが入れた」って話にも接した記憶はない。
なぜなのだろうか?
一つは、テレビという世界に遠い感覚を持っていたためだ。田舎者だからね。だが、それはメインの理由ではない。
では?