それでもニューヨークに住む理由
日本とニューヨークのフライトは片道13〜14時間もかかる。頻繁に行き来するのは移動だけでも大変だろう。
「私1人なら全然平気です。でも、子どもが一緒だとやっぱり大変なことはありますね。息子はもう小学4年生なので私と離れるのは平気ですし慣れっこですが、娘はまだ1歳で授乳中なので離れるわけにはいかず、アメリカでも日本でもずっと一緒に仕事現場へ行っています」
それでも、ニューヨーク暮らしへのこだわりは強い。きっかけは、紅白出場の翌2011年、NHKのドキュメンタリー番組のロケで、カントリーミュージックの聖地であるテネシー州ナッシュビルを訪問したことだった。英語は不慣れでも音楽で交流ができることや、さまざまな人種が入り交じり、個々人がはっきりと自分の意見を主張する米国の文化に強烈な魅力を感じたのだ。
「ロケの後すぐにまた行きたくなって、翌年に単身で2カ月間米国を旅して回りました。グランド・キャニオン、ラスベガス、サンフランシスコ、ニューオーリンズなど、西から南、東へといろんな場所へ行き、ストリートやライブハウスで歌いました。