判決言い渡しが近い
2023年7月、札幌市・ススキノのホテルで、頭部を切断された男性の遺体が発見された事件。逮捕された親子3人のうち、殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われている父・田村修被告(61)の裁判員裁判が、1月14日から札幌地裁で行われている。
1月29日、30日の公判には、死体損壊ほう助などの罪に問われている母・田村浩子被告(62)も証人として出廷し、弁護側の尋問に答えた。娘・田村瑠奈被告(30)は被害男性と出会い“初夜”を過ごしたのち、約束していた避妊具の装着をしなかったことへの謝罪を求めるため、「ススキノの街に男性を探しに行く」と言い出したという——ライターの普通氏がレポートする。【前後編の後編。前編から読む】
瑠奈被告から「被害男性を探しに街に行く」と告げられた浩子被告。広い札幌で見つかるはずがないと思いつつ、これもまた「娘が自ら解決に向けて自発的に動くのなら」と協力した。街へ探しに出る6月17日、浩子被告は修被告に「鹿(※注:瑠奈被告による被害男性の呼称。過去の公判で明かされていた)がいるかクラブに短時間潜入捜査するの可能ですか」とのLINEを送っている。
弁護人「どうして鹿と送ってるんですか」
浩子被告「全然覚えてないです」
弁護人「推測でもわかりませんか」
浩子被告「娘に言われたままなので。恐らく(男性の)名を知らないので、ニックネームつけないと不便かなと」
弁護人「スマホの記録だと“鹿”と打つ前に“獲物”とも打ってるようですが」
浩子被告「記憶にありません。娘に言われたまま打っただけなので」
その後の捜索で、瑠奈被告は被害者と遭遇する。被告はその場で謝罪を受け、次に会う日程を取り付け、「次はSMをする」と喜んだ。