「『花と龍』には今の世の中に欠けているものが、いっぱい描かれている」
本作の音楽を担当するほかチラシの制作に関わったり、グッズのデザインやPRのためのYouTube動画の配信も手がける多彩な山内圭哉さんは、舞台上では金五郎の妻マンの兄・林助や金五郎の親方・永田、河童などを演じる。現在NHKで放送中の朝の連続テレビ小説『おむすび』や、『民王』(テレビ朝日系)シリーズなどでも活躍する売れっ子俳優だ。
「『花と龍』は1人で何役も演じるので、意外と出ずっぱりなんです。もっと出なくてもいいねんけど……というのは冗談で、玉井組の助役(ボーシン)役も演じているので、普段の仕事ではあまり絡まないようなタイプの若い連中と一緒にワイワイやれるのはおもしろいです」(山内)
演劇は人と人が生で熱く芝居を繰り広げ、観客は目の前でそれを観ながら一体感を得られるのも魅力。『花と龍』の世界にも通じる。
「『花と龍』には今の世の中に欠けているものが、いっぱい描かれていると思うんです。思いやり、優しさ、想像力、正義感……。人としてどうあるべきか、とかね。『花と龍』で描かれている世界は、家族と仕事仲間の境がない。
自分が子どもの時もそうやったなとか、でも、ウチの息子は今、23歳ですけど、息子が子どもの頃には、公園に友だちといるのに並んでゲームしたりしてましたからよそよそしく見えて、人間関係も変わってきたんやな……とか稽古しながら感じてます」(山内)